朝刊から始まる丁寧な生活

新聞や経済ニュースを見る習慣づくり

とりあえずやってみるのが1番

◾️2月15日(木)の気になる金融経済ニュース

・上場地銀、与信費用3割増 中小の経営悪化を警戒

三菱UFJ、ウェルスナビ出資発表

・損保3大手、純利益3倍 4〜12月最高更新

・企業、金利0.5%上昇なら...借り入れ断念「2割」

・第一生命の純利益42%増 4〜12月、コロナ給付金支払い減

・投信残高3ヶ月連続最高、初の200兆円超1月

・東京都内2信金、合併を検討 足立成和と東栄

《2月15日付け日経新聞電子版より》

◾️おめでとう!投信残高3ヶ月連続最高、初の200兆円超1月

今朝は寒さが緩み春の訪れを感じる目覚めでした。ってまだ2月でまだまだ寒暖差が激しいみないなので体調管理には気をつけましょう。それから温かくなると花粉の気配を感じるので早めの予防対策もお忘れなきよう。

なんの脈絡もありませんが、今日は「投信残高3ヶ月連続最高、初の200兆円超1月」について考えてみます。

先日、新NISA制度について書きましたが、実際に投資額が増額しているという記事を読んで金融政策によって資産形成への意識が高まったことを実感しました。公募投信の1月純資産残高は前月比+11兆4544億円の208兆3613億円と、初めて200兆円を超えました。様々な増加要因があるでしょうが、新NISA制度の開始を受けて新規に流入した資金も大きく影響していると思われます。

賛否は分かれるかもしれませんが、金融教育が遅れている日本ではぶっつけ本番でとりあえず少額から投資を始めてもらうのが1番手っ取り早い金融教育ではないかと思います。大人になってから手取り足取り1から勉強して、仕組みやリスクを十分に理解して、それから投資を始めましょうってやってるといつまで経っても進歩しないような気がします。最低限の仕組みとリスクだけ押さえて、1,000円でも10,000円でもいいから運用商品を購入して実際の値動きを体験する方がはるかに効率的で実践的で即効性があると思います。

金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査2022年」によると、金融教育を学校等で受けて人の割合は、日本7%、米国20%、と日本は極めて少ないです。また、日本銀行調査統計局の「資金循環の日米欧比較」によると、家計の金融資産構成のうちに占める「現金・預金」の割合は、日本50%超、米国14%、欧州30%、一方で「金融商品」の割合は、日本15%、米国50%超、欧州30%、となっています。日本は金融商品の割合が現金預金より少なく、逆に米国、欧州は金融商品の割合が現金預金以上であることが分かります。特に米国は突出していますね。

米国は金融教育の先進国とされており、1960年代あたりから消費者教育や経済教育を展開してきました。小学校では小切手、高校ではクレジットや投資について学習しています。社会人になってからも従業員に対して退職企業年金制度(401k)などの学習を勧めています。このような教育によって、金融に関する知識は将来生きていくために必要不可欠な知識であるとの認識が醸成され、引いては消費者も健全な金融市場を生み出す一役となって経済全体を豊かにしていると考えられます。

一方で金融教育が遅れている日本は投資などの金融商品への消極性が強く、「投資はギャンブル、リスクが大きいだけ」「よく分からないし、お金が減るかもしれないなんて怖い」というマイナスの認識やイメージが先行しているように感じます。学生時代に金融教育を受ける機会がなければ、大人になってからも金融に対する抵抗感が拭えないかもしれません。金融機関が金融商品の営業をする際、まずは投資と生活が密接していることを伝え、投資の必要性を理解してもらうところから始まります。食べ物や洋服が買いたいと思ってお店に来た人に物を売るのとはだいぶ違います。食べ物買ったほうがいいですよ、洋服持っておいたほうがいいですよ、なぜなら〜という説明をしなくてはいけないのです。金融教育が進んでいればそのようなニーズ喚起は必要なく、商品の説明や運用の将来的な計画などもっと一歩先に進んだ話ができるのでしょうが。ただ、今はネット社会ですから勉強しようと思えば誰でもいくらでも勉強できるというのは大きいです。すでに大人になった人はもう小学校には戻れませんから手取り足取り教育を受けるというよりかは、ネットやその道に詳しい人から情報収集をして、とりあえずやってみる、行動を起こしてみる、そこが大人への金融教育の第一歩だと思います。

そんな日本も2022年度に改訂された学習指導要領で高校での金融教育が拡充されました。とても喜ばしいことです。子供への金融教育はこうやって少しずつ広がっていくことを願います。課題なのは何を教えるのかと誰が教えるのか、ですね。金融教育の本質は「お金と生活が密接に関わっている」という認識を持つことだと思います。「投資するべきだ」とか「こうすれば儲かる」とか、そういう話ではありません。また学校の先生が教えることは難しいでしょうから、金融機関などの外部の然るべき人に任せるほうがいいのかもしれません。

まだまだ金融教育の課題は子供にも大人にもたくさんありますが、豊かに生活のためにも正しく金融の知識が広がっていってほしいと思います。